ブランド力を犠牲にしてでも値引きを始める高級ソープが出てくる理由

 高級ソープは、従来「値引きしない」というのが暗黙のルールとされてきました。その背景には、料金体系そのものがブランド力を示す意味を持っていたことが挙げられます。料金を下げないことによって「ここは他店とは違う」という自負を顧客に示し、上質なサービスやキャストの質の高さを保証するイメージを維持してきました。いわば「値段が下がらない=信頼の証」として、値引きはブランド毀損につながる行為と考えられてきたのです。

 しかし、近年ではこうした高級ソープでも期間限定キャンペーンや初回割引、会員向けの特典といった形で値引きを行うケースが増えています。その背景には、業界を取り巻く顧客動向や社会情勢の変化が大きく影響しています。

◆ 競争激化と顧客層の変化 ◆

 高級ソープが割引を始めた最大の理由は、「店舗間競争の激化」です。有名ソープ街では同一エリアに複数の高級ソープが集中し、顧客の奪い合いが激しくなっています。そのうえ、顧客が容易に比較検討できる環境が整ったことで、新規顧客獲得のために値引きを導入せざるを得なくなっているのです。さらに、利用者層の若年化・多様化も一因となっており、価格に敏感な新規利用者を取り込むには、一定の割引を提示する方が効果的と考えられるようになりました。

◆ 景気動向と消費意識の変化 ◆

 ここ数年では世界的に物価上昇や可処分所得の減少など、経済的背景も大きく変化してきたことも影響してます。元々高級ソープに通っていた富裕層は昨今の状況でも利用頻度を減らしたりすることは稀ですが、それ以外の「たまに贅沢したい層」が減少しているのが問題です。この層にとっては、少額でも割引があることで心理的なハードルが下がり、「安くなっているなら行ってみよう」という気持ちが生まれやすくなります。店舗側はこうした層の顧客を取り込むため、値引きを販促手段として活用し始めているのです。

◆ 値引きの形態も多様化 ◆

 現在高級で行われている値引きは、単なる料金の引き下げではなく、サービスを維持しながら限定的に行われています。例えば、「新規客限定割引」「会員登録特典や次回予約割引」「平日や日中のタイムサービス」など、ブランド力を損なわずに集客効果を狙う工夫が見られます。これにより「安売り感」を抑えつつ、顧客にお得感を与えることが可能となっています。

 値引きを行う高級店が増える一方で、全く値引きをせず「徹底してブランドを守る」方針を貫く店舗も依然として存在します。今後は「割引を活用して新規顧客を広く取り込む店」と「一切の値引きをせず、常連の信頼を軸にする店」とに分かれていくと考えられます。割引があれば高級ソープを遊べるという方も多いでしょうから、そういった方にはある意味チャンスな時代となっていますので、ぜひこの機会に高級ソープを体験してみると良いでしょう。